パソコン教室のPCにアンチウイルスソフトを入れるべきか

スタディPCネット本部より提供されるPCとソフトウェア

スタディPCネットに加盟していてスタディPCネットという看板を掲げている教室は知っていると思いますが、ICT社よりPCが提供されていて、パソコン教室で利用可能なソフトウェアも提供されています。

スタディPCネットの事業所として登録され、スタディPCネットの生徒を教えるために必要なソフトウェアをインストールした機器が使えるようになっています。

このような教室で、スタディPCネット本部から送られたPCにアンチウィルスソフトをインストールすることに関する検証をしてみましょう。

Windows10を中心に考えます

まずここではIT系サイトによくあるような専門用語などで難しい話は書きません。少しでも多くの方に読んでもらえるように書きます。

現在(2019年1月)、パソコン教室で教える必要のあるWindowsは、Windows10で一本化されていたと言っても良いと思います。

なぜかWindows7に固執する方が多いのですが、多くの場合、昔の操作に慣れているからであって、実際にはWindows7が10に勝っている点はありません。Windows10を日常的に使っている人が、たまにWindows7のPCを触るとすぐに気づくこと、それは「起動が遅い」ことと「起動してからも遅い」ことです。

決定的に言えることはWindows7は来年使えなくなることです。2020年1月14日にWindows7の延長サポートが終了します。そのため、今からパソコン教室でWindows7を教えることは生徒の方に不利益を与えることになります。

Windows8.1はどうでしょうか。実際、Windows8.1を使いたいという方はいないと思います。自分が持っているPCがWindows8.1だったという人もいますが、できる人はWindows10に無料アップグレードしています。していない人でも、Windows8.1をずっと使いたいという人は私は知りません。Windows8.1は様々な理由で使いづらいからです。

今回はパソコン教室業界で考えた場合ですので、Windows10を使った場合でアンチウイルスソフトを考えてみます。

Windows10標準搭載のWindows Defenderで十分かどうか

Windows10にはWindows Defenderが入っています。Windows Defenderは一般的なアンチウイルスソフト(セキュリティソフト)と同等の機能が備わっています。

最近のデータでは(上のグラフを参照、真ん中くらいのMicrosoftがWindows Defender)、Windows Defenderは有料アンチウイルスソフトに比べて、自動的に入ってこようとするウイルス(グラフの赤い部分)に対しては最も良い成果で防いでいます。しかし、利用者が自分でウイルスをインストールしてしまうミス(グラフの黄色い部分)に関しては侵入を許しているケースがちょっと多くなっています。また、ウイルスの誤検出(オレンジの折れ線グラフ)は最も多いです。

 

パソコン教室で考えた場合、生徒の方が感染したUSBメモリを挿して、ウイルスをインストールしてしまうケースさえ防げれば何とかなりそうです。

インターネット講座などでマイクロソフトアカウントを作っていますので、作ったファイルを持ち帰る場合はOne Driveに保存してもらえれば防げます。また生徒の方が持っているPCもWindows10であれば、USB経由での感染もほぼ起こらなくなります。古いPCに挿して使っていたUSBメモリを教室に持ち込んでPCに挿されると、生徒の方が教室のPCにウイルスをインストールしてしまう可能性はあることはあります。

ただ、スタディPCネットのオンデマンド学習システムは外付けハードディスクからデータを参照するため、市販のアンチウイルスソフトでは外付けハードディスクを調べたり制限したりする可能性があるため、オンデマンド学習システムの速度低下やエラーなどを招く場合があります。

他のアンチウイルスソフトと比べてWindows Defenderは機能がすくないため、インターネットバンキングやクレジットカード入力で盗まれないようする機能が弱い、もしくは無い場合がありますが、パソコン教室のPCでそれを行うことはないので問題ないかと思います。

結論から言うと、USBメモリからの感染を意識するか、インターネットバンキングなどをそのPCで利用するのであればアンチウイルスソフトの購入を考えても良いですが、それ以外であればWindows10のWindows Defenderで十分事足りると思われます。

Windows Defenderの優れているところ

Windows10の定期的なアップデートでWindows Defenderが更新され続けていることです。Windows7やWindows8.1の時とは違い、Windows10ではかなり安心して使えるようになっています。

以前、市販のアンチウイルスソフトの脆弱性が狙われたということもあり、市販アンチウイルスを入れれば安心だということもありません。PCの速度低下や制限のし過ぎでエラーなどが発生することも考えると、必要なければWindows Defenderをうまく利用するほうが良いと思います。

パソコン教室としてどうすれば良いか

USBメモリからの感染やクレジットカード情報のハッキングなどを心配されるのであれば、もっと高度な対策(EDRなど)が必要になります。

ただそれはビジネス向けや大企業向けなので、パソコン教室での利用を考えるのであれば、無駄な速度の低下やエラーを招かないWindows Defenderだけの利用が良いと思います。

パソコン教室でのトラブルでかなり発生しているのが、教室が「アンチウイルスソフトを入れた方がいい」とどこかで聞いて、教えてもらったアンチウイルスソフトをインストールしてしまってPCがうまく動かなるケースです。

スタディPCネット本部から送られるPCに関しては、本部からの許可なしにアンチウイルスソフトをインストールすることはおやめください。

もしウイルス感染の疑いがあった場合はスタディPCネット本部までご連絡ください。

坂田コウイチ

パソコン教室スタディPCネットの株式会社ICT代表取締役。
IT関連のプログラミングおよびグラフィックデザイン全般。
マクロメディア社(現アドビ社)の最初のDirector公認講師。
マルチメディアスクールWAVEの創業者。

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